2015年3月3日火曜日

運命を信じますか


父親を早くに亡くした彼は「運命を信じない」と言っていました。全ては偶然の出来事で、この世には見えない力などないと強く主張していました。

 

妹と二人。女手ひとつで育ててくれた母への想いが、その苦しい人生を「運命」のひと言で片付けて貰いたくないと考えて来たようです。殊更、言葉にこだわるのは、幼い頃から「母を運命から解放してやりたい」と念じて来てもいるからでしょう。否、彼自身も逃れたいと望んでいるからに違いありません。

 

運命には2種類あります。何もしていないのに降り掛かって来る運命と、何かをした事によって引き起こされる運命です。でも、とどのつまりは自らの選択の結果に他なりません。偶然そこに居合わせる事も、わざわざ足を運んだ事に変りはないのです。生まれながらの難病でさえも、父と母の愛の選択の結果なのではないでしょうか。

 

あなたは運命を信じますか。それとも全ては偶然に過ぎないと考えますか。私はこう密かに思います。もしもこの世に運命がないのなら、奇跡もまた存在しない事になりはしないでしょうか。あまりに残念です。運命は変えられる。変えられるからこそ、人はそれを奇跡と呼ぶ。運命と奇跡は表裏一体なのだと…。

 


 

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